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第2章 新市の概況
2-1 新市の概要
ここでは、新市および宮古地区の概況について整理します。
(1) 地理・面積・歴史
1. 位置と地勢、土地利用
図. 新市の位置
新市は北東から南西へ弓状に連なる琉球弧のほぼ中間にあり、沖縄本島(那覇)の南西方約290km、石垣島の東北東約133kmの距離にあります。新市を構成する島々は、大小6つの島(宮古島、池間島、大神島、伊良部島、下地島、来間島)で宮古島がもっとも大きく地域の総面積の約80%を占め、宮古群島の中心をなしています。
また、島々は全体が概ね平坦で低い台地状を呈し、山岳部は少なく、大きな河川、湖沼等もなく、生活用水等のほとんどを地下水に頼っています。
地層は、ほとんど隆起サンゴ礁を母岩とする琉球石灰岩からなり、砂岩と沈泥状の泥板岩が重なりあったブロックで形成されています。土壌は島尻マージの他、一部にジャーガル、沖積土壌が見られ、弱アルカリ性又は中性で粘土とロームを含み、石灰岩の破片が混入した石質粘土やその他数種の粘土が広範囲に分布しています。
2. 市町村の変遷
5市町村の変遷をそれぞれ下記のとおり示します。
背景が黄色の部分は新市を構成する市町村
資料:第7回宮古地区市町村合併協議会 資料「宮古の市町村の変遷について」
宮古郷土史会 会長 仲宗根將二 作図
(2) 人口・世帯
平成12年の国勢調査によると、新市の人口は54,249人で昭和60年以降は減少傾向となっています。世帯数は核家族化の進行等を背景として、年々増加傾向にあります。
年齢別構成人口をみると、新市では急速に高齢化が進行しており、平成12年では21.0%と県平均と比べても大きく上回っている状況です。
図. 人口・世帯数の推移
図. 年齢区分別人口の推移
(3) 交通環境
新市は宮古島のほか、伊良部島、下地島などの島々で構成され、宮古島とそれら各島間では航路による移動となっています。一方、宮古島内は池間大橋、来間大橋などの架橋が整備されたことにより、宮古空港からもっとも遠い沿岸部(池間島、東平安名崎)でも、車で約30分程度で着くことができるようになっています。さらに、伊良部大橋の建設準備が進んでおり、将来的には宮古島と伊良部島・下地島において、陸路でのアクセスが可能となる予定です。
交通ターミナル拠点の状況をみると、宮古空港が沖縄本島や本土からの旅客の主たる玄関口で県都那覇とは航空機で約45分の距離にあり、東京や大阪との直行便も有しています。また、平良港が物流や離島航路等に関する交流拠点となっています。
図. 交通の状況
(4) 産業構造
1. 就業人口の推移
国勢調査(平成12年)によると、新市の就業人口割合は、第3次産業が56.9%でもっとも高くなっています。昭和50年から平成12年の推移をみると、第1次産業は減少傾向、第3次産業は増加傾向にあります。また、県平均と比較すると、第1次産業の割合が高く、第3次産業が低くなっています。
図. 就業人口割合の推移
2. 農林水産業
1) 農林水産業の概要
新市の農業は温暖な気候と平坦からなる農地を有し、市域面積の約70%が農耕地(平成13年耕地面積調査)であり、農耕上恵まれた条件にあるといわれています。反面、台風や干ばつ、病害虫の発生などの自然災害のほか、河川がないため水利条件に恵まれていないなどの理由により、生産性が低く農業をとりまく自然環境は厳しいものがあります。加えて、沖縄本島から約300km離れた島しょであるため、農産物資の輸送面での負担を負っています。また、農業生産基盤は比較的進み、農業構造の改善と近代化をもたらしたものの、農業就業者の高齢化や後継者の減少、それに伴う農家の減少が生じています。
農業粗生産額の構成割合は、平成14年においてさとうきびが51.1%でもっとも多く、以下、葉たばこ16.7%、肉用牛15.0%、野菜7.9%等となっています。また、平成7年から12年にかけて、農家数、農業粗生産額ともに減少しています。
農家形態の構成(平成12年)をみると、専業農家が45.1%、第一種兼業農家が15.2%、第二種兼業農家が39.7%であり、半数以上が兼業農家となっています。
水産業については近海でのカツオ漁を中心とするパヤオ漁やウニ等の養殖がさかんになりつつあります。その他、近海ではモズク栽培も顕著な伸びをみせ、「採る漁業からつくり育てる漁業」への転換が見られますが、後継者不足等により漁業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。
(注) 第一種兼業農家:世帯員の中に兼業従事者が1人以上いる農家で農業所得を主とする兼業農家
(注) 第二種兼業農家:世帯員の中に兼業従事者が1人以上いる農家で農業所得を従とする兼業農家
2) 農業にかかわる水資源の概要
宮古地区の水事情
古来、宮古島は「非常に水の乏しい島」として位置づけられてきました。
これは、島全体がサンゴ礁の隆起してできた非常に透水性の高い琉球石灰岩からなり、降水は直ちに土壌面から浸透して地下水となるためです。
したがって、年間2,200mm(3.6億トン)もの降水がありますが、そのうち40%(1.4億トン)が豊富な地下水として地下を流れています。
図. 全国と宮古島の水循環比較
地下ダムの立地条件と宮古島
地下ダムは、地下水の流れている帯水層を締め切ることにより地下水位を堰上げ、その水を揚水して利用しようとする施設です。
したがって、地下水が流れる帯水層とその下部に水を透さない不透水層の存在が必要ですが、宮古島は水を透しやすい琉球石灰岩と水を透しにくい島尻層からできています。帯水層を締め切るには不透水層が谷状になっていることが必要であり、宮古島の場合は断層によっていくつもの地下谷が形成されています。
図. 地下ダムの概念図
3. 商工業
商業は、平良市における幹線道路沿道の大型店が立地しているほか、「下里通り」「西里通り」「市場通り」では街なか再生事業、中心市街地活性化事業を実施しており、商業集積が見られます。
工業(建設業、製造業)では、特に建設業では国営かんがい排水事業、池間大橋、来間大橋建設、平良市トゥリバー地区埋立事業等の各種公共事業が進められ、その整備効果が期待されています。また、地場産業である泡盛製造業は顕著な伸びを見せていますが、伝統工芸品である「宮古上布」等は、手仕事の魅力を求めてニーズは高まりつつあるものの、高度な技と時間を要する割には低収入のため、後継者が育ちにくい状況にあります。
4. 観光
宮古島では、国際的規模のイベントである全日本トライアスロン宮古島大会、プロ野球のキャンプ、各種スポーツ団体の合宿等が行われています。
そのため、スポーツ・レジャーのメッカとする「スポーツアイランド宮古島」としてのイメージが着実に浸透し、観光への波及効果も高くなっています。
観光資源としては、美しい海や東平安名崎に代表される自然・景観資源を豊富に有しているほか、うえのドイツ文化村などの歴史文化資源も有しています。
しかしながら、今後とも、社会情勢、国民の旅行ニーズ等の変化に合わせた観光振興を図るため、体験型観光・保養滞在型観光への対応、宿泊施設等の受け入れ態勢の確立、きれいな海浜、美化保全、観光ルートの形成、誘客プロモーションの展開等、課題の解決が求められます。
観光客入り込み数をみると、平成15年で368,902人となっています。
近年、観光客入り込み数は、平成13年までは横ばい状況であったものの、平成14年以降は再び増加傾向を示しており、総消費額も平成15年において過去最高を記録するなど、継続的な伸びをみせています。
図. 地域資源の分布状況
資料:宮古概観(平成14年2月 沖縄県宮古支庁)
図. 観光客数の推移
資料:宮古概観(平成14年2月 沖縄県宮古支庁)
2-2 上位計画等からみたまちづくりの方向性
沖縄振興計画や広域市町村圏計画における「まちづくりの将来方向等」を踏まえ、「5市町村が一体となって取り組むまちづくり」に関し、踏まえるべき視点や留意すべき点を整理します。
基本理念・将来像等をみると、共通の項目が多いことから、まちづくりの理念の共有が図りやすいと考えられ、共通課題への一体となった効果的な取り組みが期待できます。
沖縄振興計画(平成14年7月) 新沖縄県離島振興計画(平成14年12月) |
第4次新宮古広域市町村圏計画(平成13年3月 沖縄県宮古広域圏事務組合策定) | |
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課題 | 振興の基本方向 ・美しい自然環境を保全するとともに、地下水の良好な水質を維持し快適な生活環境を創出する ・情報通信基盤の整備や自然に囲まれた島の環境を生かしたSOHO導入 ・農林水産業の振興のほか、スポーツや健康、保養をテーマとした体験、滞在型観光の振興 |
広域的に扱う諸課題 <健康> ・広域的環境保全施策の展開 ・保健、福祉の広域的連携の強化 ・消防・防災の広域的連携の強化 <活力> ・既存産業の振興と新規産業の育成 ・伊良部架橋建設事業の推進と活用 ・広域行政の推進と市町村合併 <歓喜> ・観光ネットワークの形成 ・文化・歴史の継承と振興、交流 ・教育、人材育成 |
将来像 | 振興の基本方向 ・美しい自然環境を保全するとともに、地下水の良好な水質を維持し快適な生活環境を創出する ・情報通信基盤の整備や自然に囲まれた島の環境を生かしたSOHO導入 ・農林水産業の振興のほか、スポーツや健康、保養をテーマとした体験、滞在型観光の振興 |
将来像 『美しい宮古 ガーデンアイランド』 基本理念:健康・活力・歓喜の島 【目標人口】 ・平成17年度 57,000人 |
基本目標 | (1)資源循環型の社会システムの構築 (2)産業の振興 (3)産業・生活(環境)基盤の整備 (4)職業能力開発機会の確保 (5)保健医療・福祉関連基盤の整備 |
(1)地下水・環境保全事業の継続 (2)自然エネルギー活用事業の推進 (3)介護認定審査会の運営 (4)広域葬祭場の建設と運営 (5)広域観光・物産事業の新規展開 (6)宮古圏域田園地域マルチメディアモデル整備事業の推進 (7)スポーツアイランド構想の推進 (8)広域文化事業の推進 (9)広域間交流連携事業の展開 |
平良市 | 城辺町 | 下地町 | 上野村 | 伊良部町 | |
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将来像 | 将来像 「海のまほろば・ふれあいランドひらら」 |
基本的考え方 (1)人を大切に、ふれあいの心が息づくまち (2)自然環境との共生 (3)アイデンティティの確立と自立ある地域の創造 |
将来像 「平和で魅力ある 生きがいに満ちた 安らぎのふるさと=下地」 |
基本理念 「平和・生きがい・安らぎ」を基調にした下地町 (1)平和で魅力に富んだ快適な住みよいまち」 (2)「豊かで活力のある産業のまち」 (3)「生きがいにあふれた福祉のまち」 (4)「伝統と文化を重んずる教育、文化のまち」 |
将来像 「海と空に拓かれた新たな歴史を創造する町」 |
基本的視点 | 基本的考え方 (1)人を大切に、ふれあいの心が息づくまち (2)自然環境との共生 (3)アイデンティティの確立と自立ある地域の創造 |
まちづくりの理念 (1)活力 ・産業の基盤 ・町内外との交流 ・生き生きと暮らす町民育成 (2)心豊かさ ・郷土教育 ・良好な集落環境 ・豊かな心を持った町民育成 (3)やさしさ ・福祉の心 ・自然や人をいたわる町民育成 |
基本理念 「平和・生きがい・安らぎ」を基調にした下地町 (1)平和で魅力に富んだ快適な住みよいまち」 (2)「豊かで活力のある産業のまち」 (3)「生きがいにあふれた福祉のまち」 (4)「伝統と文化を重んずる教育、文化のまち」 |
基本的方向 (1)博愛と平和友好のふるさと(基盤整備と自然環境) (2)魅力と活力に満ちたふるさと(産業振興) (3)癒しと安らぎのふるさと(福祉・教育) |
まちづくりの基本理念 (1)‘人を育む’町づくり (2)‘自然と伝統’を守り伝える町づくり (3)新たな‘歴史を切り拓く’町づくり (4)‘真の豊かさ’を享受できる町づくり |
2-3 住民の意向
平成14年11月に実施された宮古地域における「市町村合併に関するアンケート調査」の結果に基づき、住民ニーズに適切に対応できるよう、計画の策定にあたってのポイントを整理します。
(1) 住民アンケート調査
1. 行政サービスの満足度
行政サービスの満足度をみると、「中小企業育成等の雇用確保」「新規企業誘致・新産業の創出」「地場産業の育成」など、産業振興の分野における満足度が特に低くなっています。その他では、「公害防止等の環境保全対策」や「教育機関の整備充実」の満足度が低い状況です。
2. 定住意向(住民、中高生アンケート)
住民アンケートでは、「できればずっと地域内に住みつづけたい」がもっとも多くなっている一方で、20歳代をはじめとする若年層で定住意向が低くなっています。移転したい理由としては、「仕事等で一時的に宮古に住んでいるだけだから」がもっとも多く、次いで「働く場所が少ないから」が2番目に多く挙げられています。
中高生アンケートにおける将来の定住意向では、「宮古で住むと思う」が「宮古で住むとは思わない」より若干高くなっていますが、「わからない」が約半数となっている状況です。住まない理由としては「都会や広い世界に活躍の場を求めたいから」がもっとも多くなっています。
3. 宮古地域のまちの将来像(住民、中高生アンケート)
住民アンケートでは、「子どもたちを地域で安心して育てられるまち」がもっとも多くなっていますが、「農水産業のさかんなまち」「雇用の機会が充実したまち」「福祉のまち」「健康のまち」もほぼ同じ割合で上位に挙がっています。一方、中高生では「観光・リゾート・交流のまち」「便利で快適な日常生活を楽しめるまち」が上位に挙げられており、「にぎわい」や「楽しさ」に関連する項目が多くなっています。
また、中高生・一般別、男女別、年齢別、市町村別でみると、それぞれもっとも多く選択された宮古地区の将来像は以下のとおりとなっています。
- 中高生 ⇒ 「観光・リゾート・交流のまち」
- 女性、20歳代、30歳代、平良市 ⇒ 「子どもたちを地域で安心して育てられるまち」
- 男性、下地町、城辺町、上野村 ⇒ 「農水産業のさかんなまち」
- 40歳代、50歳代 ⇒ 「雇用の機会が充実したまち」
- 60歳代、伊良部町、多良間村 ⇒ 「健康のまち」
- 70歳代 ⇒ 「福祉のまち」
4. 地域で自慢できるものや好きな場所、他にはない特色(中高生アンケート)
中高生に上記の内容について聞いたところ、「きれいな海」がもっとも多く、次いで「緑が多い」などとなっており、「自然」にかかわるものが上位に挙がっています。
(2) 女性委員会による宮古の島づくりへの提言
女性委員会は、宮古地区市町村合併協議会委員に少ない女性の声を吸い上げる場として、また女性の目線で、合併の是非、将来の宮古地域のまちづくり、どういう宮古にしたいのかを率直に話し合う場として設置されました。
以下のとおり、その結果を整理します。
1. 女性委員会の進め方
女性委員会では、「将来の宮古地域のまちづくり」「宮古の将来のあるべき姿」を考えることが「合併の是非」の議論を深めることにつながると考え、将来の宮古地域のまちづくりについて話し合うことにしました。
議論、検討の進め方としては、まず、宮古のあるべき姿を抽出する「参加型目的描写法」の手法を導入。その理論と経験を有し、その手法により母子保健計画策定に携わった経験があり、現在、「健康21」、「健康ひらら221プラン」の担当者として関わっている宮古福祉保健所の医師、松野朝之氏からアドバイスをうけながら討議を重ねました。
2. 女性委員会からの提言内容
「宮古の将来のあるべき姿」としては、地下水保全を中心とした環境の保全。安心、安全で、医療・福祉、教育が充実、伝統文化が息づき、ごみのない自然豊かな環境。
また、若者に仕事がある宮古。自然にやさしく健康に配慮した農水産業を振興し、観光地としても魅力ある地域。
さらに、宮古上布等の地場産業を振興し、トライアスロンなどがさかんに開催されるスポーツアイランドの島などがあがった。
それらを達成するための条件としては、「高齢者や障がい者にやさしいまちづくり」「歩道、案内板などの公共施設はユニバーサルデザインで」「ごみのない資源循環型社会」「有機農法による農業」「花や緑が豊かなまち」「環境教育の充実」「学校教育の充実」「サイクリングロードの整備」「公設市場の整備」「地場産業振興センターの整備」「下地島空港の活用」「家庭での父親の協力」「男女共同参画社会実現への取り組み支援」「公民館、児童館や図書館の整備」等の意見がありました。
具体的なイメージとしては、次のとおりです。
安心して子育てができる
- お母さん、お父さんが安心して出かけられる。(24時間いつでも子どもを預けるところがある)
- 子育て支援センターがある。
- 一人一人の面倒がみられる保育園、学童保育(人数・広さ)
- 児童が安心して遊べるまち(親が仕事から帰るまで安全に居られる)
- 学校終了後行くところがある。
- 女性の地位向上ができる。
- 男女共同参画社会の実現
健康でいられる
- 学校給食は地元産の安全な食を(自校方式で)
- 農作物を有機肥料で育て、これが学校給食用の野菜になること(システムがある)
- 新鮮な食物がいつでも手に入る
- いつでも安心、安全な食事がとれる
- いつでも病院にかかれる、診察が受けられる
- 各種健康診断が受けやすいように個人病院と県立病院が連携されている
- 寝たっきりにならない健康な老人になるために海水を利用した健康アイランド施設があったらいい
- 24時間悩みを聞いてくれる人がいる
- 女性の相談機能の充実と保護施設の設置
高齢者・障がい者が安心して生活できる
- お年寄りのためのシニアハウジングがある
- 高齢者のためのケアハウスがある
- 高齢者が幸せになるために施設の完備した特養ホームがある
- お年寄りでも気軽に行ける安くて美味しくいただける食事処があったらいい
- 知的障がい者や重度身障者が地域にとけ込める環境・地域社会がそれらを受け入れる街(障がい者をもつ親として地域で子育てしたい)
- 公的施設・お店・住宅・道がバリアフリー
- お年寄りが利用できるバス
- お年寄り、障がい者が車イス電動車で安全に街中を走ることができる
- 車イスでも安全でゆったりと通ることができる歩道をつくって欲しい
- 車椅子利用者や視覚障がい者等が一人で外出買い物等ができる街(道路・交通機関が整備され、まわりの人たちがちょっと手助けしてくれる)
- 社会的弱者や高齢者の活用(こつこつとした仕事が得意、伝統工芸の担い手等として)
- 子育て応援隊(高齢者活用)
生活環境が充実している
- 地域の人々が安心して歩ける道路(標識、街路灯)
- ドライバーが安全に運転できる。
- 親子でサイクリングを安心安全で楽しめる
- 強風でも通行止めにならないような構造の伊良部架橋をつくってほしい
- ごみの出ないリサイクルの完結した島(資源循環型社会の実現)
- 商店街や飲食店、観光地にクリーン化
- 向こう三軒両隣
- 地元産の野菜、魚などを売っているお店がある
- 郵便局、病院、公園、プール、銀行がある
- 隣近所の人が集える場所がある(公民館とか)
- 交通費が安い宮古(飛行機、船)
- 近所に図書館(子ども、私、障害をもった人が利用できる)
- 学校でいろんなイベントが行われる
- 島全体を公園化し、皆が自由に安全に遊べ、緑豊かな行楽施設があったらいい
- 親子で楽しむために公園が欲しい
- 親子、家族で一日中遊んですごせる
- 若者向けの多目的広場(イベント、スケートボード専用等)がある
- 若者が健全で楽しめるスポーツ娯楽施設があったらいい
- コミュニティーセンターを兼ねた図書館がある
- 週5日、児童館が地域ごとにある
- 日焼けや紫外線、天候を気にしなくてもショッピングができる地下商店街があったらいい
教育が充実している
- 宮古島の形態、環境について学習の中に段階を踏んで教える(統一的に)
- 国際社会に対応できる子どもの人材育成への環境づくりができたらいい
- 学資応援制度がある
- 生涯学習施設の充実
- 青少年が健全に生活する(有害図書ビデオ、インターネット類、たばこ等自動販売)
- 図書館に車が止められるように
仕事があり、若者が魅力を感じる
- 若者の仕事がある
- 若者は仕事が必要である。仕事は宮古内だけでなく海外にも求める
- 宮古の島産品がよく売れる
- 県外・国内各地から旅行者が来る
- 下地島国際空港の実現
- 下地島空港を最大限に活用し、高度なIT企業を誘致し、若者を呼び寄せ地域の活性化をはかる
- 宮古島マイスター制度(誇りのもてる物づくりの島に)
- 宮古織り、宮古上布をもっと宣伝する
- 専門学校、短大があることによって、宮古のお金が外に出て行かない
- 宮古島に大学や専門学校がほしい。若者の島外流出を防ぐことと、逆に魅力ある大学等として若者が外からやってくるにぎやかな街
- 史跡、戦跡を保存するとともに、ガイドを養成し、観光教育に活かしていく
自然環境が保全されている
- 緑の下で親子が本を読める
- 思い出の木、建物(まち並み)、自然が残っている
- 木々に囲まれた田舎道(ポケットパーク)
- 枝ぶりのよい大きな樹木が道路に欲しい。種類も統一する
- 全島、緑のトンネルを歩く人、サイクリング、車いすで通れる
- 市民の森(高齢者の憩いの場所、子どもの遊び場所)
- 主要道路添いの地主が並木作りに協力し、道行く人がいやされるまち(島)
- 休耕地(サトウキビ刈り取り後)にひまわり畑
- 護岸を自然に戻すための公共事業があればいい。
- 水源涵養林を増やし、水を守る。化学肥料、除草剤を規制する。
- 車のない日がある。
- 自然エネルギーの利用
- 太陽光線によって動く家(健康によい)。エネルギーの節約
- 宮古島が地球温暖化問題を考える。
伝統文化を誇りに思う
- 誇り高き宮古人
- 宮古はスポーツアイランドであるから、スポーツを生かした世界的イベントやスポーツ専門学校の開校
- 親子・家族で宮古の歴史・文化が学べる。
- 宮古島に色がある。魅力ある景観の形成
- 宮古の人が宮古のことを知る。(高校生などが宮古についての知識をもってほしい)
- ブーンミヤー(公民館)で伝統文化の伝承を。(かつての活気ある村まつりなどを)
魅力ある観光地
- 観光客が迷わない道路。
- 宮古全体の歴史、文化ロードを整備。
- 地元、観光客で賑わう公設市場がある。
- 道路がきれいな街(ごみ、空缶がなく花木も常に手入れが行き届いていて和む
2-4 今後の島づくりに向けた主要課題
(1) 住民のかけがえのない生命を支える地下水の保全および環境保全
新市は山も川もない平坦な地形のため、生活用水、農業用水のほとんどを地下水で賄っています。しかしながら、地下水の保全に寄与する森林率は全国平均や沖縄県平均に比べて極端に低い状況です。そのため、水源涵養林造成事業や「天女の水まつり」など地下水の水質保全に関する啓発事業を実施するなど地下水の保全に取り組んでいます。
地域の持続的な発展に向けて、住民の生命と健康を守る地下水水質保全やごみのない美しい島づくりおよび環境保全について、住民、関係機関、事業者が協働で取り組んでいくことが求められます。
(2) 元気な島をつくる活力あふれる産業振興と雇用創出
1. 未来につながる農林水産業の振興
農業は基幹産業であるものの、農業就業者の高齢化や後継者は減少(農家数、農業粗生産額の減少)している状況にあります。住民意向では農業の持続的な発展を目指すため、地下水保全に配慮した環境にやさしい農業が重要との指摘がありました。
地下水の保全に配慮した循環型農業の実現や有機農業への取り組み、観光との連携などを図ることによって、新市として、未来につながる農林水産業を実現していくことが求められています。
2. 自然資源を活用した観光振興、交流およびスポーツアイランドとしての地域活性化
新市には、海、東平安名崎など豊かな自然・景観資源やうえのドイツ文化村に代表される歴史文化資源など豊富な観光資源を有しています。全日本トライアスロン宮古島大会は、日本国内だけでなく海外からも選手が参加する国際色豊かな大会となっています。
美しい海など自然資源の活用による観光・交流を促進するとともに、スポーツイベント等を通した人材育成を図る必要があります。また、トライアスロンの知名度を活用した新たな戦略を図るなど、スポーツアイランドとして魅力向上を図る必要があります。
3. 新たな雇用を生み出す産業振興
住民アンケートでは産業分野に対する満足度は低く、またそのなかでも、とりわけ「新規企業誘致、新産業の創出」の満足度は低い状況にあります。長引く不況や地理的な条件等から大規模な企業誘致等が見込めないなか、新規産業の育成を図るなど地域内発型の産業振興を図ることが必要と考えられます。
(3) 宮古の未来を担う人づくりの推進
1. 子どもたちの健全育成
新市には高等学校までの教育機関しか存在しないことや雇用の場が少なく、職業選択の幅が狭いことから、若者の島外流出が多くなっています。また、住民意向では、島外に出なくともスポーツ・芸術などについて、地域で子どもが学ぶことができる受け皿づくりの重要性が指摘されています。
学校・幼児教育を充実させ、個性に富んだ子どもたちの健全育成に向けた環境づくりや産業、まちづくりにおける次世代を担うリーダーの育成を図ることが必要です。
2. まちへの誇りと郷土愛の形成
新市では、全日本トライアスロン宮古島大会やプロスポーツの誘致など個性ある行事や美しい海などの自然資源を多数有しています。住民意向でも「伝統文化を誇りに思えるようなまち」の重要性が挙げられ、「親子・家族で宮古の歴史や文化が学べる場づくり」などの指摘が挙げられています。
宮古のことを知り、再認識する機会を創出するため、誰もが気軽に学ぶことができる機会を創出し、地域への誇りと愛着の心を育むことが重要です。
(4) 若年層をはじめとする定住魅力の強化
1. 若者が魅力を感じることのできる産業振興と雇用環境の創出
住民意向では定住意向が低く、住みたいと思わない理由は、「働く場が少ないから」が多く、中高生の意向でも、将来の定住意向について「分からない」とする人が多くなっています。
地域の産業振興等をはじめとする総合的な暮らしの快適性・利便性の向上を図ることにより、若者に仕事がある活力あるまちづくりを進めていくことが求められます。
2. 安心して子育てができる環境づくり
住民アンケートでは、全体結果と比較して20歳代~30歳代の若年層の定住意向が低くなっています。
高齢化が進み、まちの活力がなくなることが懸念されるなか、ファミリー層を中心とする若い世代が宮古に住み続けられるよう、安心して子育てができる環境づくりを行うことが求められます。
(5) 安全・安心で快適な暮らしの創出
1. 高齢化に対応した保健・医療・福祉の連携強化と相互扶助の仕組みづくり
新市は県内で高齢化がもっとも進んでいる地域で今後とも高齢化の進行が予測されており、住民意向でも健康福祉の分野にかかわる施策は全体的に満足度が低くなっています。
少子・高齢社会の到来に向け、だれもが安心して生活できる保健・医療・福祉サービスの質的な向上を図ることが重要です。特に今後のまちづくりにあっては、住民自らが相互に自立してともに支え合う仕組みをつくることが求められます。
2. 地域間格差の是正に配慮した暮らしの基盤の充実強化
宮古島内は池間大橋、来間大橋などの架橋整備が進んだこともあり、地域間の結びつきは比較的強い状況にあります。また、伊良部島・宮古島間では伊良部大橋の建設準備が進んでおり、将来的には陸上交通が可能となりますが、現状では海上交通によるアクセスとなっている状況です。そうしたなか、住民アンケートにおける合併の不安点をみると、中心部と周辺部で地域格差がもっとも多く挙げられている状況です。
このため、地域内に離島を有するなどの地理的条件を踏まえ、地域間格差の是正に配慮しながら、暮らしの基盤を強化し、どこに住んでも便利で快適な生活ができる環境づくりを進める必要があります。
基本的事項|新市の概況|主要指標の見通し|新しい島づくりの基本方針|新市の施策|新市の施策(後半)|公共的施設の統合整備、財政計画